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おにぎり家族の美味しいお話し

第2話「海苔って、いつ生まれるの?」

そろそろ夕ごはんの時間ね。
今日は何が食べたい?

海苔巻きが食べたい!

いいわね。
じゃあ、おいしい海苔巻きにしましょうね。

僕は「のりチーズ餃子」がいいな~

のり太!いつの間に帰って来たの。
帰ってきたら「だだいま」を言いなさい。

ごめんなさい…

突然、現れるとビックリするでしょ。

驚かしてごめんなさい。でも、
海苔もいつの間にか海に姿を現わすよね。
いつ、生まれるのかな?

不思議なんだけど、海苔はね、
秋に姿を現わして、冬から初春にかけて育つのよ。
そして、初夏を迎えるころには消えてしまうの。

そうなんだぁ。
じゃあさ、夏の海苔はどうしているの。

あまり知られてないのだけど、
私たちが食べている海苔は、
大きな葉っぱのような形をした
葉状体と呼ばれるものなの。

ヨウジョウタイ?

そうなの。
海苔は秋から冬に成長し、成熟すると
春に1番目のタネ・果胞子を作るの。
それが水中に放出され、
カキなどの貝殻に穴をあけ、
中で過ごして「糸状体」 になるの。

へぇ~、
貝殻に穴をあけるんだ。

ひと夏を貝殻の中で過ごして、
2番目のタネ・殻胞子を作り、
また水中に放出されて、
岩や網などにくっ付いて海苔に
育っていくのよ。

スゴイ、スゴイ!

そうよ。
この糸の形になって夏を過ごす生態がわかったから、
養殖できるようになったのよ。

そうだったんだ。
海苔ってなかなか賢いんだ。

そうよ。なかなか賢いの。
のり太も見習いなさい!

は~い。
賢くなり、怒られないようにガンバります!

葉状体(ようじょうたい):
植物体の体制を二大別した場合、茎と葉がはっきりしている茎葉体に対して、多細胞体でありながら茎葉の区別のないものを葉状体という。
果胞子(かほうし)   :
紅藻類の植物において有性生殖によりできた胞子のこと。
殼胞子(かくほうし)  :
貝殻の中でつくられる、葉状体に育つ海苔のタネとなる胞子のこと。
糸状体(しじょうたい) :
藍藻(らんそう)類のユレモ、コケ植物の原糸体など、細胞が1列に並んで糸状になったものをいう。
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